近年、店舗やインターネットショップにて買い物をした際にポイントが付与されるケースが多くなっており、ポイント付与サービスはもはや一般的なものとなっております。この付与されるポイントについては、税務上明確な基準はありませんでしたが、先日国税庁より「共通ポイント制度を利用する事業者及びポイント会員の一般的な処理例」の他、ポイントに関する取扱いが公表されましたので、ポイント会員側における処理の一例をご紹介致します。
1.共通ポイント制度を利用した場合
- ポイント付与時
事業者が商品を購入(税込11,000円)した際に110ポイントが付与されたケース
消耗品費 10,000 現金等 11,000
仮払消費税 1,000
- ポイント使用時
事業者が商品を購入(税込220円)し、付与された110ポイント使用して決済したケース
消耗品費 200 現金等 110
仮払消費税 20 雑収入 110(消費税対象外)
一般的に、Tポイント等その提携企業からの商品購入やサービス利用に伴いポイントが付与されるような共通ポイント制度を利用する場合には、このポイント利用額は支払金額に充当する処理となります。
この場合、ポイントが付与された際には会計上認識することはなく、その利用時に雑収入として処理します。また、そのポイント相当額は消費税法上「不課税取引」となります。
2.企業が独自で発行するポイントを使用した場合
- ポイント付与時
事業者が商品を購入(税込11,000円)した際に110ポイントが付与されたケース
消耗品費 10,000 現金等 11,000
仮払消費税 1,000
- ポイント使用時
事業者が商品を購入(税込220円)し、付与された110ポイント使用して決済したケース
消耗品費 100 現金等 110
仮払消費税 10
身近なスーパーマーケットなどで導入されているような、その企業独自のポイントが付与され、それを利用した場合には、このポイント利用額は購入代金の値引きとして処理します。
この場合もポイント付与時には会計上認識することはしませんが、その利用時には購入した商品やサービスから値引きされたものとして処理します。なお、そのポイント相当額は消費税法上「仕入に係る対価の返還等」となります。
一般的な例を挙げましたが、その処理の際には、ポイントに関する規約等により異なる可能性もありますので注意が必要です。
ちなみに、現在政府が行っているキャッシュレス・ポイント還元制度により利用されたポイントの処理については、「支払金額に充当する処理」として取り扱うことになります。