顧問税理士の乗り換えを検討することとなるきっかけは以下のようなケースが考えられます。実際には、その他にも様々なケースがあるかと思います。
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1.顧問税理士が廃業した
長年依頼してきた顧問税理士が死亡により廃業したケースです。特に高齢の税理士へ依頼してきた方はこのケースが多いのではないでしょうか。クライアントの側としては、これまで依頼してきた税理士が突然いなくなったことにより、税務・会計に係る手続きがストップしてしまいます。
例えば、記帳代行や給与計算など、すべての会計業務を税理士へ依頼されていた場合は、これらすべて行えなくなりますので、次の税理士と契約することは喫緊の課題になります。また、決算を間近に控えた会社なども大変なことになります。
2.顧問税理士がかなり高齢である
平成26年のデータでは、税理士のうち60歳以上の割合は全体の53.8%にも上りますので、上記のように突然税理士が亡くなった場合、給与未払いや申告書・届出書等の提出もれなどのリスクをクライアントが負うことになります。そのため、リスク回避のため高齢を理由に税理士を変更する方も結構いらっしゃいます。
3.顧問税理士と性格が合わない
主に、細かい性格のクライアントに対し、大雑把な性格の税理士と契約している場合は、このケースが多いように思います。クライアントが説明を求めてもそれに応えない、相談しても長期間返答が無い、そもそも時間さえ守れない、など税理士を信用できないと感じた場合に変更することが多いようです。
4.顧問税理士により不利益を被った
顧問税理士が税務処理の判断を誤った、または税務処理の選択肢があるなかで、税理士の説明不足によりクライアントが判断を誤ったことにより、思わぬ損失を被ったことが原因で税理士を変更するケースもあります。このように、重要な判断が必要な場面で、両者のコミュニケーション不足が原因となれば、不信感も増大してしまいます。
5.税理士が契約通りの仕事をしない
当初の契約では、月1回税理士が会社へ訪問する、積極的に税務相談に応じる、毎月会計報告をする、勉強会等のセミナーを定期的に開催する、などの内容で締結していたものが、いつの間にか履行されなくなっていたことが原因で、税理士を変更するケースがあります。
このように、税理士乗り換えのきっかけを見ると、大きく2つに分かれます。
1つは顧問税理士を急に失うケース、もう1つは顧問税理士との信頼関係を失ったケースです。高齢となるのは仕方のないことではありますが、信頼関係を失うのは税理士側の注意不足によることが原因となります。