使途秘匿金等が生じた場合の課税処理

法人税において、事業上生じた費用の支出につきその相手先の氏名等を帳簿書類へ記載しなければ損金と認められず、その支出に対し課税されることになります。なぜこのような取扱いとなっており、また、どのように規定されているか見てみます。

1.使途秘匿金とは

使途秘匿金とは、法人がした金銭の支出のうち、相当の理由がなく、下記3事項(以下「相手方の氏名等」という。)を当該法人の帳簿書類に記載していないものをいいます。

  • 相手方の氏名又は名称
  • 相手方の住所又は所在地
  • その支出の事由

 

2.使途秘匿金がある場合の法人税課税

使途秘匿金がある場合の法人税は、下記の金額となります。

『 通常の法人税 + その使途秘匿金に対する40%の金額 』

これは、使途秘匿金が相手方の氏名等を隠蔽した不正支出又は違法支出であると想定され、公正な取引を阻害する要因となりますので、罰則的な意味合いから40%加算されることになっているのです。

 

3.費途不明金とは

費途不明金とは、法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものをいいます。つまり、その費用が何に対しどのように使用されたのが明らかでない支出を指します。

 

4.費途不明金の取扱い

費途不明金は、法人税法上その全額が損金不算入となります。

このように、費途が不明な支出は法人税法が求める帳簿等への記載要件を満たさないことから、損金として認められないことになっています。

 

5.まとめ

上記1~4により、法人が行った支出に対し相手方の氏名等を帳簿書類に記載していない場合には、使途秘匿金及び費途不明金に該当する可能性が高く、下記の法人税が課せられます。

① 使途秘匿金等×23.2%の通常法人税

② 使途秘匿金等×40%の追加法人税

③ ①+②=使途秘匿金等による法人税等

したがって、使途秘匿金等に対し住民税なども含め約80%の法人税等が課せられることから、大きな税負担が生じることになります。

このように、罰則的な課税を受ける可能性がありますので、使途が不明な支出は行わず、常に相手方の氏名等を帳簿書類に記載するよう心掛けて下さい。

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