先日、国税庁の文書回答事例として「Jリーグの会員クラブに対して支出した広告宣伝費等の税務上の取扱いについて」が公表されましたが、クラブ運営会社において生じた欠損金を親会社がその補填を行った場合には、広告宣伝費として取り扱われる旨記載されておりました。
かなり違和感のある回答なのでその根拠を確認すると、昭和29年8月10日「職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について(直法1―147)」の個別通達がベースとなっている模様です。かなり古い時代のものですが、その中で、
「ニ 親会社が、球団の当該事業年度において生じた欠損金(野球事業から生じた欠損金に限る。以下同じ。)を補てんするため支出した金銭は、球団の当該事業年度において生じた欠損金を限度として、当分のうち特に弊害のない限り、一の「広告宣伝費の性質を有するもの」として取り扱うものとすること。」
との見解が示されております。プロ野球の球団は、いわば親会社にとって広告宣伝の媒体として存在していることが前提となっている内容です。
しかしながら、このような取扱いが果たして課税の公平性の観点からは認められるものなのか?
球団に対する欠損金の補填が広告宣伝費とするなら、逆に球団からの配当金は全額益金算入(広告宣伝費の戻り)としなければ整合性が合わないような気がしますし。
やはり、子会社に係る支援については、法人税基本通達9-4-1から9-4-2をベースとしなければ、法的根拠無く優遇しているように思えます。
ちなみに、上記個別通達では親会社が貸付金等として処理した場合でも、欠損金を補填することが明らかと認められるときには、損金算入される模様です。別表四で減算処理ですね。
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